Nikon Imaging
Japan

Lesson11:撮りたい被写体、好きな写真の見つけかた

今回のレンズレッスンは少し趣向を変え、一眼レフカメラを最近手に入れたというかたやこれから写真をはじめたいと思っているかた、一眼レフカメラは持っているけれどあまり使う機会がみつからないというかたなどに向けた話をしたいと思います。

デジタルカメラやレンズなどの技術は日々進化し、より簡単にきれいな写真が撮れるようになってきました。けれど写真は撮影する人によって大きく変わるもの。たとえ同じカメラで同じものを撮ったとしても、不思議なことに同じ写真にはなりません。それが写真の面白いところではないでしょうか。
だからこそまずは自分の"撮りたい被写体"や"好きな写真"を見つけることからはじめてみましょう。「これを撮ってみたい」「こんな風に撮りたい」という気持ちを持つことが上達への第一歩です。今回は、どんなふうに写真を撮りはじめればよいか、そして撮り続けながらどんなふうに自分の"撮りたい被写体"や"好きな写真"を見つけていけばよいのか、そのヒントをお伝えします。

1.カメラを持って出かけてみよう

スマートフォンでは撮れないような写真を撮ってみたい、一眼レフカメラならではの背景が美しくボケた写真や遠くのものを大きく切り取った写真を撮ってみたい。そんなふうに写真に興味を持ち一眼レフカメラを手に入れたかたも多いのではないでしょうか?
けれどいざカメラを買ってみたものの「さて、どこで撮ろう?」、「まず何から撮るのがいいのかな?」と、どんなふうに一眼レフカメラを楽しめばよいのか迷ってしまい撮影の機会が減ってしまうケースも多いようです。

そこでまずおすすめしたいのが、カメラを持った小旅行です。1日だけでもかまいません、写真を撮るという目的でどこかへ出かけてみましょう。意識して歩いていると、自然と周囲を注意深く見るようになります。そこで出会った風景、食べたもの、鳥や猫といった動物など、とにかく気になったものにレンズを向けどんどんシャッターを切ってみましょう。つい写真に撮って画になるもの、きれいで美しいものだけを探してしまいがちですが、最初から撮るものを限定せず「なんだか不思議だな」、「これは何かな?」と何かしら心が動いたら、その瞬間を逃さないよう写真に収めてみましょう。

小旅行から帰ってきたらさっそく、撮った写真を見返してみましょう。「この写真好きだな」、「これはよく撮れたぞ」と思う写真が1枚でもあれば、それが「もっと写真を撮ってみよう」というモチベーションになり次の撮影へとつながります。また撮影小旅行に出かけるかもしれませんし、家の中にある身近なものにも興味がわいてくるかもしれません。写真を撮っては見返し、お気に入りの写真を見つける。そんな経験をたくさん積み重ねていくことで"撮りたい被写体"や"好きな写真"がわかってくるのではないでしょうか。

カメラを持ってどこにでかけよう? 撮影場所に迷ったらこちらをチェック!

切り取りかたを変えてみよう

気になったものをカメラに収めるとき、その被写体をどう切り取ろうかと考えながらシャッターを切る癖をつけてみましょう。自分の持っているレンズがズームレンズであれば、ズームリングを回して焦点距離(※)を変え寄ったり引いたりしてみる。撮影する位置を変えてみたり、撮る角度を変えてみたり、ピントを合わせる位置を変えてみたり……ただシャッターを押すのではなく「どう撮るとよりステキになるかな?」と考えながら撮っていくことで、「こんな風に写るんだ!」「自分はこう撮るのが好きかもしれない」、そんな新しい発見をすることができます。いろいろな発見をしながら、撮影をより楽しんでいってください。

※焦点距離……レンズに表記してある28mm、50mm、85mm、ズームレンズであれば18-55mmというような数字で表します。焦点距離が変わると写る範囲が変わります。より小さい数値ほど広い範囲(引いた画)で写り、大きな数値ほど狭い範囲(寄った画)で写ります。

焦点距離についての詳細はこちら

2.お気に入りの写真をお手本にしてみよう

ウェブサイト、SNS、雑誌や本……さまざまなところに写真があふれています。そんな写真を眺めていると、一度は「この写真いいな」、「こんな風に撮りたいな」と思ったことがあるのではないでしょうか。ほかの人が撮った写真の中から自分のお気に入りを見つけることは、自分の"撮りたい被写体"や"好きな写真"がどんなものなのかを知る手助けになります。

どんな写真が好きですか? いろいろな写真を見てみよう

そして気になる写真を見つけたら、その写真をお手本にしながら撮影にチャレンジしてみましょう。同じ撮影地に行ってみたり同じ被写体を撮ってみたり、似たシチュエーションを探して撮影してみてもよいでしょう。どんな構図で撮っているのか、明るさやボケ具合はどうか、背景はどう入れているのかなどを参考にして、自分の写真に取り入れてみるのもいいですね。

同じような写真を撮ることができたら、それはとても嬉しい体験として写真を撮るモチベーションになることでしょう。でももし思ったように撮れなくてもがっかりする必要はありません。なぜ同じように撮れなかったのかを考える機会にしてみましょう。カメラの設定なのか撮影したシチュエーションの問題なのか、レンズなど機材の違いなのか……。そんな疑問から今度はこう撮ってみようと試行錯誤していくことが、写真上達への大きなステップアップにつながります。
ですからたとえ「こんな凄い写真は自分には撮れないだろうな」、「このレンズがないと撮れないんだろうな」と思う写真でもあきらめず、どんどん撮影にチャレンジしてみてください。「意外にうまく撮れたぞ」、「少し違うけど、こんな風に撮れた」。そこでもまた新しい発見があるかもしれません。

3.パソコンで自分の写真を見返してみよう

撮影した写真はカメラの中に入れたままにせず、パソコンに取り込んで見返す機会を作ってみましょう。大きな画面で見ることで自分の写真を客観的に見直せるだけでなく、手ブレやピント位置のズレ、写真内に余分なものが写ってしまっていたなど、カメラのモニター上では気づかなかったものを発見することができます。「次は気をつけよう」「今度はこうやって撮ってみよう」といった気づきが、写真をより上達させてくれます。

手前の毬にピントを合わせて撮影。カメラのモニターでは合っていると思っても…

パソコンの画面で見てみると、ピントがずれているのがわかります。

向い側に座った人の手が写りこんでしまっている! 撮影時には気づけませんでした。

逆に撮影時にはあまりよくないと思っていた写真が、大きな画面で見返してみると「いい写真かもしれない」と思い直すということもあるものです。デジタルカメラは枚数を気にすることなく撮影できるのがよいところです。撮影時にはあまりピンと来なかった写真でも、その場で消さずに残しておきましょう。

4.撮りたい被写体、好きな写真を見つけたら

気になった被写体をどんどん撮って、撮った写真を見返してお気に入りの写真を見つける。そしてまた気になったものを撮影する。そうしていくうちにどんな機会にどんな被写体を撮ることが多いのか、あるいはどれくらいの焦点距離で撮ることが多いのかなど、徐々に自分の撮影スタイルが理解できるようになってきます。そのころには、自分の"撮りたい被写体"や"好きな写真"もわかるようになっていくでしょう。

またどう撮ればいいのかと試行錯誤しているなかで、もう少し広い画角で撮りたい、もっと大きくぼかしたい、被写体にもっと寄りたい……そんな思いが芽生えてくるかもしれません。
自分の"撮りたい被写体"や"好きな写真"を知ることは、今自分が使っているレンズでは撮れない表現があることへの気づきや、必要なレンズを見つけていくことにもつながっていきます。さらに広い画角で撮りたいならばより広角系のレンズ、同じ画角でさらに大きくぼかしたいなら単焦点レンズ、被写体にもっと寄りたいならマイクロレンズなど、撮りたいイメージで撮影できるレンズが、手にすべきレンズということになりますね。

講義編Lesson1~3ではレンズの種類に応じてどんな写真を撮ることができるのか、特徴や写り方の違いをまとめていますので参考にしてみてください。

レンズを交換しながら写真撮影を楽しむことができるのが、一眼レフカメラの大きな魅力のひとつです。レンズが変わると写真は大きく変化し、写真表現の幅をぐんと広げてくれます。自分の撮りたい被写体と撮りたい写真表現にぴったりなレンズで表現できた時の喜びや達成感はひとしおなのではないでしょうか。

自分にとって必要なレンズを選ぶことは、写真で表現する喜びを広げるきっかけにもなるのです。まずはいろいろなものを撮影し写真をたくさん楽しんでください。そして自分ならではの写真を見つけていってくださいね。