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2018年10月の星空

夜が長くなったことを感じられるようになってきました。目ぼしい天文現象がなく、明るい星も少ない今月の夜空ですが、夏の大三角を見送り、天頂の「ペガスス座」に秋を感じ、深夜に冬の星座たちを迎える、この時期ならではの星空を楽しみましょう。

星空写真

福島県裏磐梯 秋元湖にて
福島県裏磐梯にある秋元湖と星々です。この湖は磐梯山の噴火のときの堰止湖で、島が多く幻想的です。ペガスス座が昇っていきます。

2018年8月11日 20時30分
ニコン D800E+AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED(24mm、ISO 3200、露出30秒、f/2.8、トリミングあり)
撮影者:鈴木 祐二郎

10月の星空

南の空

南の空

2018年10月1日ごろの22時、15日ごろの21時、30日ごろの20時に、東京で見た南の星空の様子です。大阪ではこの時刻より約20分後に、福岡では約40分後に同様の星空になります。
月は、満月(25日)、上弦(17日)の位置を入れてあります(時刻は21時)。

北の空

北の空

2018年10月1日ごろの22時、15日ごろの21時、30日ごろの20時に、東京で見た北の星空の様子です。大阪ではこの時刻より約20分後に、福岡では約40分後に同様の星空になります。

天文カレンダー

2日(火) 下弦(夜半に東の空から昇り、明け方に南の空に見える。下弦~新月は夜空が暗く、星が見やすくなります)
6日(土) 未明~明け方、細い月とレグルスが接近
9日(火) 新月(下弦~新月は夜空が暗く、星が見やすくなります)
12日(金) 夕方~宵、細い月と木星が並ぶ
15日(月) 夕方~宵、月と土星が接近
17日(水) 上弦(日没ごろに南の空に見え、夜半ごろ西の空に沈む)
18日(木) 夕方~深夜、月と火星が大接近(「今月の星さがし」で解説)
22日(月) オリオン座流星群の活動がピーク(「今月の星さがし」で解説)
25日(木) 満月。次の満月は11月23日です
27日(土) 宵~翌28日明け方、月とアルデバランが大接近

10月の惑星

水星

月末ごろから、夕方の南西の低空に見えます。

日の入り30分後(東京で夕方5時20分ごろ)の高度は約4度と非常に低いため、見つけるのはかなり難しいでしょう。水星の近くに、木星が水星より明るく輝いているので、木星が見つかれば水星も見えるかもしれません。しかし、木星も低いという条件は同じなので、見晴らしの良い場所で探してみてください。星図アプリなどで位置をよく確かめて、双眼鏡を使って探してみましょう。

金星

5日ごろまで、宵の明星として夕方の南西の低空に見えます。

日の入り30分後(東京で夕方5時50分ごろ)の高度は3度ほどと非常に低いため、マイナス4.5等級と明るい金星でも、見つけるのはかなり難しそうです。日の入りの直後であれば高度は7度ほどで、低いとはいえ少しは見やすいかもしれません。

金星はその後、太陽に見かけ上近づいて見えなくなります。11月上旬からは、明け方の東の空に見えるようになります。

火星

「やぎ座」を動いています。夜7時ごろに南の空に見え、夜9時ごろに南西の低空に移り、日付が変わるころに沈みます。明るさは約マイナス1.0等級です。

一番明るかった7月下旬から8月上旬と比べると、かなり控えめで落ち着いた印象を受けます。それでも、木星が沈んでから深夜までは空で最も明るく見える星です。秋は明るい星が少ない季節なので、南から南西の空に輝く赤~オレンジ色の火星はまだまだ注目を集めるでしょう。「やぎ座」の星を目印に、星座の中を移動していく様子を追うのも面白いでしょう。

18日の夕方から深夜にかけて、上弦過ぎの半月と大接近します。「今月の星さがし」も参考にしてみてください。

木星

「てんびん座」にあります。日の入り30分後(東京で夕方5時40分ごろ)に南西の空に見え、6時45分ごろに沈みます。明るさは約マイナス1.8等級です。

金星ほどは明るくありませんが、夕空で光っている様子を肉眼や双眼鏡で眺めてみましょう。かなり低いので、南西の空の見晴らしが良い場所で探してみてください。月末ごろには水星と接近して見えます。

12日の夕方から宵に、月齢3の細いの月と並びます。

土星

「いて座」にあります。日の入りのころ(東京で夕方5時過ぎごろ)に南の空に見え、夜7時ごろに南西の低空に移り、9時ごろに沈みます。明るさは約0.4等級です。

先月よりも沈む時間が早くなったため、観察できる時間帯も短くなっています。空が暗くなったらなるべく早いうちに、天体望遠鏡で環を観察してみましょう。

肉眼では、土星の東(左)にある火星と明るさや色を見比べてみましょう。また、15日の夕方から宵に上弦前のやや細い月と接近する現象も眺めてみてください。

今月の星さがし

最盛期を過ぎたとはいえ、火星がまだまだ明るく見えています。18日に半月と大接近する光景はとくに楽しみです。また、22日ごろにはオリオン座流星群の流れ星が見えるかもしれません。

18日 月と火星が大接近

7月31日に地球と火星が最接近してから2か月以上が経過しました。火星は距離が約2倍ほども遠くなり、明るさは5分の1まで小さくなってしまいましたが、今月もまだ宵空で目立って輝いています。空が暗くなるのが早くなってきていることもあり、生活時間帯の中で火星を目にする機会は、むしろ夏ごろより多くなるかもしれません。

今月の火星は「やぎ座」を西から東へと動いていきます。「やぎ座」の星は三角形に並んでおり、その三角の中を火星が横切っていくイメージです。暗めの星が多いのですが、意識しながら火星と「やぎ座」を見てみましょう。

この火星に、18日の夕方から深夜にかけて上弦過ぎの半月が近づきます。月2~3個分ほどしか離れない大接近で見ごたえがあります。肉眼や双眼鏡でもよく見えるので、気軽に楽しむことができます。

10月18日の南南西を中心とした空の様子(19時、場所は東京)。大きい囲み内は月と惑星のズームアップ(直径7度、双眼鏡で見たイメージ)と、月と火星それぞれのズームアップ(拡大率は異なる)。広角図では月は大きく描いている

上の図には月と火星それぞれの拡大イメージも示しています。火星は月の拡大率のさらに20倍にしてあるので、実際には見かけの大きさの差はもっとあります。さて、図をよく見ると、月だけでなく火星も欠けている(左側が暗い)ことがわかるでしょうか。このように、月だけでなく実は火星も満ち欠けするのです。

10月18日の地球と月、火星の位置関係を宇宙空間から眺めたイメージ。右のほうに太陽がある

月が満ち欠けするのは、地球と月、太陽の位置関係によるもので、地球から見て太陽の光が月に正面から当たるか(満月)、横から当たるか(半月)などで変化します。火星の満ち欠けが起こる理由もこれと同じです。地球から見て半月と火星が並んでいるときには、太陽の光が月にも火星にも横から当たっていることになるので、似たような形になるというわけです。ただし、月に比べて火星は遠いので、火星への光の当たり方は斜め横からになるため、火星のほうが少しふっくらとしています。上の図のように地球を離れた視点で考えてみるとわかりやすいでしょう。

実際には、この日の火星の見かけの大きさは月の130分の1ほどなので、相当拡大しなければ火星が欠けている様子はわかりづらいのですが、このような観点で夜空を眺めてみると接近現象に別の面白さを感じられるかもしれません。火星のほうが月より260倍も遠くにあることなども想像しながら、美しい共演をお楽しみください。

21~22日ごろ、オリオン座流星群

10月下旬になると深夜には「オリオン座」が東の地平線から昇ってきます。その「オリオン座」の方向を中心として飛ぶ流れ星が見られるのが「オリオン座流星群」で、毎年10月21日ごろに活動がピークとなります。8月中旬のペルセウス座流星群や12月中旬のふたご座流星群ほど多くの流れ星が見られるわけではありませんが、有名な「オリオン座」の名が付いていることもあって何かと話題になりやすい流星群です。

今年の活動のピークは22日未明2時ごろと予想されています。満月前の明るい月が3時ごろまで夜空を照らしているため、それ以前の時間帯には、目にできる流れ星の数は少なくなりそうです。月が沈んでから夜明けが始まる1時間30分ほどの間が、最も流れ星を見やすいでしょう。空の条件の良いところでは1時間に15個前後、郊外などではその半分ほどの数の流れ星が見えそうです。

10月22日3時ごろの東京の空。流れ星は、放射点の位置するオリオン座の方向だけではなく、放射点を中心とした空全体に飛ぶように見える

オリオン座流星群の流れ星は、オリオン座の方向にある「放射点」と呼ばれる天球上の一点を中心としてあちらこちらに飛びます。狭い範囲を集中して見るのではなく、なるべく広い範囲をゆったりと眺めましょう。月が残っている時間帯に見たり街中で観察したりする場合は、月や灯りから離れた方向を見ると良いでしょう。広く見ることが大切ですから、双眼鏡や天体望遠鏡は不要です。

深夜から明け方には冬の星座たちが東の空に勢ぞろいしています。これらの星々や秋の星座を眺めながら、流れ星を待ってみてはいかがでしょうか。かなり冷え込みますので、防寒の備えは念入りに。

今月の星座

ペガスス座

10月中旬の夜9時ごろ、頭の真上あたりに、台形に並んだ4つの星が見つかります。「秋の四辺形」や「ペガススの四辺形」と呼ばれるこの台形は、翼を持った天馬ペガススの胴体にあたり、そこから西(図では右)に長い首が伸びています。「星空写真」は「ペガスス座」が昇ってくるところで、写真中央に四辺形があり、首は右上に伸びています。

「ペガスス座」
(星団の画像クレジット:ESO DSS2 (AURA))

四辺形には2等星が3つあるので(残る1つアルゲニブも明るめの3等星)、多少の街明かりがあっても見つけられるでしょう。さらに、ペガススの鼻先にある星エニフも2等星で、比較的目立ちます。すると「ペガスス座」には四辺形のうちの3つを加えて計4つの2等星があるように思えますが、実は四辺形の北東角(図では左上)の2等星アルフェラッツは「アンドロメダ座」に含まれる星です。ちょっと、ややこしいですね。

星の名前や所属する星座はさておき、明るい星が少なめの秋の空にあって四辺形はよく目立ちます。日本では「枡形星(ますがたぼし)」とも呼ばれる大きな四辺形を、頭の真上に仰いでみましょう。

球状星団M15

ペガススの鼻先には、数十万個の星がボール状に集まっている球状星団のM15があります(Mはカタログの符号)。双眼鏡でも少しにじんだ感じに見え普通の恒星とは違うことがわかりますが、機会があればぜひ天体望遠鏡で観察してみましょう。周辺部の星が分かれて見えたり、丸くボンヤリとしたかたまりが星の大集団であることがわかったりして、さらに美しさを味わえるはずです。

ペガスス座51番星ヘルベティオス

秋の四辺形の、西の辺の中ほどにある5等星の「ペガスス座51番星『ヘルベティオス』」(図中、赤い矢印の先の星)は、一見とくに変わったことのない星に思えます。双眼鏡や天体望遠鏡で観察しても、ただの光点にしか見えません。

実はこの星は、太陽系以外の惑星が見つかった最初の星(太陽のような普通の星)なのです。1995年の初発見以来、現在では4000個近い太陽系外惑星が見つかっています。生命や文明が存在するかどうかは別として、宇宙には「星の数ほど」惑星があるということを想像して夜空を眺めてみるのも、面白いかもしれません。

真夜中の星空

夜遅く帰ってくる人のため、ちょっと夜更かしの人のため、真夜中の星空をご案内しましょう。

図は10月中旬の深夜1時ごろの星空です。11月中旬の深夜11時ごろ、12月中旬の夜9時ごろにも、この星空と同じ星の配置になります(月が見えることもあります)。

2018年10月中旬 深夜1時ごろの星空

「ペガスス座」は天頂から西の空に移り、地平線へと急いでいます。火星が沈んでしまった深夜、西から南の空には明るい星が少なく、もの寂しさを感じます。

一方、東の空には冬の鮮やかな星々が勢ぞろいし、たいへん豪華です。星座の形をたどったり、明るい星の色の違いを確かめたりしてみましょう。北の空に高く上った「カシオペヤ座」も見やすくなっています。

頭の真上あたり(星図でアルデバランの「バ」の字あたり)にはプレアデス星団(すばる)があります。肉眼でも数個の星が集まって見えますが、双眼鏡で観察すると時が経つのを忘れるほど美しい眺めを堪能できます。

深夜には気温がかなり下がり、空気の冷たさや東の空の星々に、一足早く冬を感じられそうです。深夜の星空散歩は暖かくしてお楽しみください。

星空観察のワンポイントアドバイス

季節の星座や天体の動きを観察する星空観察。実は、ちょっとした知識や下準備で、得られる楽しさが大きく変わります。ここでは、流星の見つけ方や星座の探し方、場所選びや便利なグッズなど、星空観察をよりいっそう楽しむためのポイントをご紹介します。

星空観察のワンポイントアドバイス