Nikon Imaging
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At the heart of the image.

2017年2月の星空

2月の夜空には色とりどりの1等星が輝き、一年で最も星空が華やかな時期です。宵の明星の金星や火星のほか、深夜には木星も見え、惑星も楽しめます。
暦の上では春になりますが、実際には一年で最も寒い時期です。温かい服装で星空ウォッチングを楽しみましょう。

星空写真

北軽井沢にて
浅間山とオリオン座を撮影。ソフトフィルターを使用してオリオン座の星々の色を強調し、散光星雲と合わせカラフルに表現しました。フィルターによる風景の軟調化を抑制するため、フィルター画像3枚とノーフィルター画像3枚を合成してあります。

2016年12月11日 03時29分
ニコン D810A+AF-S NIKKOR 58mm f/1.4G(ISO 12800、露出5秒×6枚を合成、f/2.8)、レンズ用フィルター使用
撮影者:高岡 誠一

2月の星空

南の空

南の空

2017年2月1日ごろの22時、15日ごろの21時、28日ごろの20時に、東京で見た南の星空の様子です。大阪ではこの時刻より約20分後に、福岡では約40分後に同様の星空になります。
月は、満月(11日)、上弦(4日)の位置を入れてあります(時刻は21時)。

北の空

北の空

2017年2月1日ごろの22時、15日ごろの21時、28日ごろの20時に、東京で見た北の星空の様子です。大阪ではこの時刻より約20分後に、福岡では約40分後に同様の星空になります。

天文カレンダー

1日(水) このころ、未明~明け方に木星とスピカが接近
夕方~宵、細い月と火星が接近(「今月の星さがし」で解説)
2日(木) このころ、夕方~宵に金星と火星が並ぶ
4日(土) 上弦(日没ごろに南の空に見え、夜半ごろ西の空に沈む)
立春(こよみの上で春の始まり)
5日(日) 宵~翌6日未明、月とアルデバランが接近
11日(土) 満月。次の満月は3月12日です
宵~翌12日明け方、月とレグルスが大接近
15日(水) 深夜~翌16日明け方、月と木星が接近、スピカが並ぶ(「今月の星さがし」で解説)
17日(金) 金星が最大光度(夕方~宵の南西の空で眩しく輝いています)
19日(日) 下弦(夜半に東の空から昇り、明け方に南の空に見える。下弦~新月は夜空が暗く、星がよく見えます)
21日(火) 未明~明け方、月と土星が接近
26日(日) 新月(下弦~新月は夜空が暗く、星がよく見えます)
南大西洋方面で金環日食
27日(月) このころ、夕方~宵に火星と天王星が大接近(「今月の星さがし」で解説)

2月の惑星

水星

5日ごろまで明け方の南東の低空に見えます。日の出30分前(東京で朝6時10分ごろ)の高度は約5度とかなり低いので、スマートフォンのアプリなどで位置を確かめ、見晴らしが良いところで探してみましょう。双眼鏡を使うと見つけやすくなります。

金星

夕方から宵に西の空に見えます。マイナス4.6等級ととても明るく目立ちます。注意深く探せば、日没前でも見つけられるでしょう。空が暗くなってからは、左上の火星と並ぶ様子も美しく眺められます。

天体望遠鏡で金星を観察すると、欠けて見えることもわかります。上旬のうちは少し細い半月状ですが、下旬になると三日月のように細くなります。天体観察会などに参加して確かめてみましょう。

火星

「うお座」を動いています。宵のころ西の空に見え、夜9時ごろ沈みます。明るさは約1.2等級です。

宵空で圧倒的に目立つ金星の左上で、控えめに赤く光っています。両惑星をセットで眺めてみましょう。1日の夕方から宵には細い月が接近し、肉眼でも3天体が集まった美しい光景を楽しめます。

また、下旬になると天王星と大接近します。「今月の星さがし」を参考に、観察や撮影をしてみてください。

木星

「おとめ座」にあり、1等星スピカと並んでいます。深夜0時ごろに南東やや低めの空、未明の3時30分ごろに真南の空に見えます。明るさは約マイナス2.2等級です。

15日深夜から16日の明け方に月と接近して見えます。スピカを含めた3天体の集合を眺めてみましょう。

双眼鏡を使うと木星の周りにあるガリレオ衛星が見え、天体望遠鏡では衛星だけでなく本体の縞模様もわかります。寒いことに加えて気流が乱れやすく、拡大しての観察にはあまり向いていない時期ですが、意欲的な方はぜひ双眼鏡や天体望遠鏡を向けてみてください。

土星

「へびつかい座」から「いて座」へとゆっくりと動いていきます。明け方5時ごろに 南東の空やや低いところに見えます。明るさは約0.3等級です。

21日の未明から明け方に下弦過ぎの月と並んで見えます。肉眼でも楽しめるので、早起きしたら南東の空を眺めてみてください。

今月の星さがし

夕方の南西の空で並ぶ金星と火星に、1日に月が接近。また未明の南東の空で並ぶ木星とスピカには、15~16日に月が接近します。下旬には火星と天王星の大接近が起こり、双眼鏡で楽しめます。

1日の夕方~宵、細い月と火星が接近、15日深夜から16日明け方には月と木星、スピカが接近

昨年の秋ごろから宵の南西の空に見えている宵の明星の金星が、今月もよく目立っています。冬の冷たい空気の中では、その輝きがいっそう印象深く感じられるでしょう。天体望遠鏡で観察すると、半円からやや細くなっていることがわかります。

金星の左上には火星も見えています。金星に比べると暗いものの、1等級なので肉眼でもよく見えます。そしてさらに、2月1日にはこの2惑星のそばに月齢4の細い月も接近します。3天体が集まっている美しい光景を、ぜひ眺めてみましょう。当日だけでなく前日や翌日も観察すると月の並び方と形が変わり、その違いも楽しめます。双眼鏡では、月の模様や火星の赤っぽい色などが肉眼よりハッキリ見えて面白いでしょう。地球照(地球で反射した太陽の光が月を照らし、月の暗い部分がうっすら光って見える現象)にも注目してみてください。

2月1日 日没1時間後(東京で18時10分ごろ)の南西の空の様子。囲み内はクローズアップ(直径5度、やや高倍率の双眼鏡の視野、右の図より少し狭い)。線は10度(腕を伸ばしてこぶし約1個分)間隔。広角図では月は大きく描いている

2月16日 0時(場所は東京)の南東の空の様子。囲み内はクローズアップ(直径7度、標準的な双眼鏡の視野、左の図より少し広い)。線は10度(腕を伸ばしてこぶし約1個分)間隔。広角図では月は大きく描いている

1日以降、月は火星から離れながら太くなっていきます。そして11日の満月以降は細くなり、15日の深夜から16日の明け方にかけて、満月と半月の中間程度の太さになった月が木星と「おとめ座」の1等星スピカと接近します。再び、月を含めた3天体の集合が見られるというわけです。

こちらもやはり、肉眼でも双眼鏡でも美しい光景を楽しめます。月の形や明るさはもちろんのこと、クリーム色でどっしりと落ち着いた木星の輝き、冷たく青白いスピカの光と、それぞれの印象の違いも感じてみてください。また、同じ方向に見えている3天体ですが、月までは約40万km、木星までは約7.3億km(月までの1800倍)、スピカまでは約250光年(木星までの約300万倍)という距離の違いがあること、つまり宇宙に奥行きがあることも想像してみましょう。

下旬に火星と天王星が大接近

宵空には金星と火星が目立っていますが、この近くにはもう一つ惑星が見えています。太陽系の第7惑星、天王星です。2月下旬ごろに火星と天王星が大接近するので、火星を目印に天王星を見つける大チャンスです。ぜひ探してみましょう。

2月26日~3月2日 日没1時間後(東京で18時30分ごろ)の西の空の様子。囲み内はクローズアップ(直径7度、標準的な双眼鏡の視野)。線は10度(腕を伸ばしてこぶし約1個分)間隔

天王星の明るさは約6等級で、空が暗いところであれば肉眼でも見つけられますが、実際には肉眼で見るのはかなり大変です。双眼鏡を使うと、多少の町明かりがあるようなところでも天王星が見えますので、双眼鏡で探してみてください。拡大図を見ながら火星や周りの星の並びを頼りにすれば、意外と簡単に見つかるでしょう。最接近する27日前後は、低倍率の天体望遠鏡で火星と天王星を同時に見ることもできるので、お持ちの方はぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

今月の星座

オリオン座

全天で88個ある星座の中で、最も有名で最も見つけやすい星座と言える「オリオン座」は、冬に見ごろを迎えます。2月中旬では8時から9時ごろに南の空に見えています。三ツ星と、赤っぽい1等星ベテルギウス、青白い1等星リゲルが、「オリオン座」を見つける目印です。

「オリオン座」(IC 434の画像クレジット:ESO DSS2 (AURA))

「オリオン座」が見つけやすい理由の一つは、2等星以上の明るい星が7個もあることです。星図に名前が書いてある星が「オリオン座」の中で2等星より明るい星です。2等星くらいであれば多少の町明かりがあるような場所でも見えるので、都市部からも「オリオン座」を見つけられます。注意深く見ると、7つのうちベテルギウス以外はすべて青白い色をしていること、三ツ星のうちミンタカが少し暗いことなどにも気づくでしょう。

また、「オリオン座」は形がわかりやすい星座でもあります。日本では和楽器の鼓に見立てて「つづみぼし」と呼ぶ地域があり、そのほかにもリボンや砂時計のようにも見えます。少し暗めの星までつなぐと、星座絵に描かれているオリオンの顔や、手に持つこん棒、楯も見えてきます。みなさんには、どんな物や姿に見えるでしょうか。

オリオン座大星雲

肉眼でもじゅうぶんに楽しめる「オリオン座」ですが、双眼鏡や天体望遠鏡でぜひ観察したい、見逃せない天体があります。三ツ星のすぐ南(下)にある「オリオン座大星雲 M42」です(M=エムはカタログの名前)。空の条件が良ければ肉眼でもボンヤリと見え、双眼鏡などを使うと天体の広がりや形までわかるようになります。写真では、赤っぽい色や、鳥が羽を広げたような形もとらえられます。

オリオン座大星雲の正体は宇宙空間に漂うガスの塊で、ガスが星の光を受けエネルギーを得て光っている星雲(輝線星雲)です。こうした星雲では、新しい星が次々に誕生しています。天体望遠鏡で観察すると星雲の中心に「トラペジウム」という星の集まりが見えますが、これらは誕生から100万年ほどしか経っていない「赤ちゃん星」たちです。

馬頭星雲

三ツ星のすぐ東(左)には、オリオン座大星雲とは別の星雲があります。写真のように馬の頭に似た形に見えることから「馬頭星雲」という愛称が付けられています(カタログ番号ではIC 434と呼ばれます)。反時計回りに90度回転させてみると、左を向いた馬の顔がわかるでしょう。

馬頭星雲は暗黒星雲というタイプの星雲です。暗いところには何もないわけではなく、濃いガスや塵が集まっていて、それらが背景の光を遮ることで馬の頭の形がシルエットとして浮かび上がっています。この星雲の奥深くでも、やはり新しい星が誕生していると考えられています。

馬頭星雲を観察するのは難しく、写真向きの天体です。インターネットで画像を検索するなどして楽しみましょう。

「オリオン座」周辺にはこのほか、「エンゼルフィッシュ星雲」「バーナードループ」「燃える木星雲」「魔女の横顔星雲」といった様々な星雲があります。これらも一緒に検索してみてください。

真夜中の星空

夜遅く帰ってくる人のため、ちょっと夜更かしの人のため、真夜中の星空をご案内しましょう。

図は2月中旬の深夜1時ごろの星空です。3月中旬の23時ごろ、4月中旬の21時ごろにも、この星空と同じ星の配置になります(月が見えることもあります/惑星は少し動きます)。

2017年2月中旬 深夜1時ごろの星空

西の空には冬の星々、南の空の高いところには「しし座」、南東の空には「春の大三角」や木星と、どの方向にも見どころがいっぱいです。北の空の高いところには「北斗七星」も見えています。寒ささえなければ、いつまででも夜空を見上げていたくなるかもしれません。

図の上でも説明しているように、3月にも4月にも、もう少し早い時間帯に似たような夜空を見ることができます。もちろん、暖かくなるそのころを待ってもいいのですが、できればぜひ2月の寒いときにも一度、この空を見ておいてください。そうすると来月や再来月、同じような星や星座を見たときに、春が訪れて暖かくなっていることや木星がスピカを基準にして動いていることなどを、きっと実感できるでしょう。

星空観察のワンポイントアドバイス

季節の星座や天体の動きを観察する星空観察。実は、ちょっとした知識や下準備で、得られる楽しさが大きく変わります。ここでは、流星の見つけ方や星座の探し方、場所選びや便利なグッズなど、星空観察をよりいっそう楽しむためのポイントをご紹介します。

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