Nikon Imaging
Japan
At the heart of the image.

田口 るり子

読み込み中です。

インタビュー

ヌード写真を撮影しているときにふと、なだらかな女性のボディラインが山並みのように見えることがあったんです。そのひらめきを元に女性の身体の一部分を切り取り、風景を喚起させるようなイメージで撮ったのが今回の「MONO SCAPE(モノスケープ)」という作品です。
撮影では、どれだけ風景らしく見せられるかということに細心の注意を払いました。淡い光をモデルさんの身体のラインが出るように当て、まるで山並みの向こうに太陽が沈んでいくようなイメージを作ったり、光の角度を微妙に調整しながらモデルさんの肌を砂漠のように見立てたり。モノクロームで表現することでヌードという固定観念を取り除き、より風景を想像してもらえるよう仕掛けをしています。

ヌード撮影の際にはそのモデルさんにコンセプトや撮影イメージなどを事細かに説明し、納得いただいた上で撮影をします。人前で裸になりカメラを向けられるというのはそれだけでストレスですし、意味も分からず撮られ続けているだけでは関係性も壊れてしまいます。今回は特に山並みに似せたボディラインを撮るために難しいポーズをキープしてもらう必要がありましたから、モデルさんの協力なしでは完成しませんでした。今回に限ったことではないですが、モデルさんと一緒に作り上げた作品だと思っています。

私はいつも、自分以外の他人に憧れを抱いているんです。魅力的な人だと思ったら、写真を通してその人に近づきたいし、本質を知りたいし、誰にも見せない顔が撮りたい。そのアプローチ方法のひとつがヌード撮影でした。また女性のヌードは純粋に美しく、女性特有のやわらかなラインを見るたびにこれ以上の被写体はないと感じます。女性のヌードはこれからも撮っていきたいテーマです。

でもそれだけに限らず、自分が面白そうだと思えば何でも撮りたいですね。私はやりたいと思えばすぐにやる、どうしようと二の足踏んで逃してしまったらもったいない! という性格で(笑)。そもそも写真を始めたのも、写真にまったく興味がなかったのにある日突然カメラを購入してしまうという、衝動的な行動からでした。何かピンとくるものがあればそれに従う、自分のそういう“カン”だけは信じているんです。知らない世界を知りたい、そこから得た感覚を自分の糧にしていきたい。自分の好奇心に従って、これから先もいろいろなことに挑んでいきたいと思います。

プロフィール

田口 るり子(タグチ ルリコ)

愛知県名古屋市出身。2003年から独学で写真を学ぶ。富士フォトサロン新人賞2003にて審査員だった沢渡 朔氏、荒木 経惟氏にその才能を絶賛され新人賞を受賞。それを機に写真家としての活動を開始する。以後、音楽家のCDジャケット撮影やライブ撮影、音楽雑誌などでポートレートを中心に活動。2013年より熊切大輔氏に師事。現在はポートレートを中心に舞台写真、料理写真など多方面で活躍中。また作品としてはヌード写真を撮り続けている。
写真展に、2013年「はだかんぼう」2016年「MONO SCAPE」など。公益社団法人 日本写真家協会会員。日本舞台写真家協会会員。

Webサイト
rurikotaguchi.jp