Nikon Imaging
Japan
At the heart of the image.

志賀 由佳

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インタビュー

本作は、私が専属で撮影を続けている東芝ラグビー部の練習風景、特にスクラム練習を中心に構成したものです。力比べのように思われがちなスクラムですが、実は8人の力を塊にしてどう力をかけるか、首の角度や手の位置などを緻密に計算しながら組んでいるものなのです。一歩間違えれば首の骨を折ってしまう、練習でも常に真剣勝負で緊迫感のあるシーンです。今はまだ十分に撮り切れていないのですが、そういった現場の空気やスクラムの繊細な駆け引きを感じてもらいたいです。

15年前、スポーツフォトグラファーを目指していた頃、たまたま家の近くに東芝ラグビー部の練習グラウンドがあったので撮らせてもらえないかとお願いをしました。実はそのときラグビーについて何も知らなかったのですが、大きな体をぶつけ合ったり何人もの選手が重なり合ったりしている姿が私には新鮮で面白く、興味がわいたんです。そして苦しいときほど声を掛け合い、厳しい練習ほどやり切った笑顔を見せる、そんな選手の姿を見ているうちにどんどん惹かれていきました。ラグビーに詳しくなった今でも練習を撮るのは単純に面白いです。その感覚は最初に抱いたものと変わらず同じなんです。これからも私が感じるその面白さを撮り続けていきたいですね。

ラグビーは対戦相手も尊重するスポーツなので得点を挙げ喜ぶ姿などはあまり見られないのですが、闘争心、充足感、チームメイトを見つめる信頼の眼差しなど、クールな表情の中にも選手の思いがくみ取れるような、そんな写真が撮れたときは嬉しさを感じます。今後は、練習以外のオフショットも撮りたいですね。試合会場に入る様子やロッカールームの中、合宿での様子……試合や練習だけでない選手たちの表情や姿を通してラグビーの魅力を伝えられればと思います。

もともとスポーツ写真に興味を持ったのは、外国の子どもがグラウンドでボール遊びをしている1枚の写真を見たのがきっかけでした。それは報道ではなくドキュメンタリーとしてのスポーツ写真で、それを見たとき自然と笑顔になったんです。こんなスポーツ写真もあるのだと知ったとき、自分もこんな写真が撮れるスポーツフォトグラファーになろうと思いました。私もいつか、写真を見て気づいたら笑顔になっていた、ラグビーを通してそんな作品が撮れたらいいですね。

プロフィール

志賀 由佳(シガ ユカ)

1976年宮崎県生まれ。2002年JCII主催「水谷塾」に入塾。 スポーツを中心にフリーランスとして活動。特にラグビーは子供の大会から国際大会まで幅広く撮影。